洗濯物はなぜ乾く? 
   


森:洗濯物の話しましたよね? 洗濯物干すやつ。してない?ちょっと例を挙げます。

おしめがこうあるとしますよね、幼児教育ですからおしめにしますね。(笑)[図1参照]



ここ(A)にこう水があるわけですけど、水が(おしめから)蒸発してこう出るわけですね(α)。

で、ここ(B)に目に見えない膜ができるんです。

<分子運動の話>
この膜は、1ミリの、何ミクロン単位だそうですね。1ミリの、あれ何だっけな?百分の一か、十分の一か、何かその位の感じの、ものすごくもう狭い範囲で膜ができるんだそうです。それで問題は、膜ができたらこの水蒸気が自分で返ってくるんです(β)。行ったり来たりするから乾かない。こう返ってくるのがいたら乾かないんですね。

で、どうするかっていうと、風で吹き飛ばす。するとこれ出っぱなしだったら乾く、ということですね。そういうふうに言うとよく解る。だから目に見えない壁がこうある。だから湿度が低くても、風が無いとこの辺が湿度100パーセントになっちゃうんですね。

湿度100パーセントっていうのは、出ていったのと返ってくるのがいつもある状態。そういうふうに考えたら解りいいでしょ。100パーセントっていう事は、くっついたり離れたりの水の量がいっしょなんだ。そういうふうにしないと100パーセントっていうのがわからないよね。

ところが、運動の形で理解するとわかる。これがどんどん出て行くと乾くわけですよね。で、ここ(B)にある水を減らせばいいんだから、これ(α)をぴやっと吹き飛ばしたら、出っぱなしになるよね。

それともうひとつ。分子のスピードが速ければ、温度が高いっていうことなんで、温度を高くするとスピードが上がるから速く乾く。というので、温度を高くすると分子運動が速くなって乾く。[図2参照]



K:返ってくるスピードも上がるんですよね?

森:えっ?

K:返ってくるほうも上がるわけですよね。

森:そうですね。だから結局吹き飛ばさなきゃだめってことです。(笑い)

<輻射熱の話>
それと、熱のことで言えばね、あと輻射熱っていうのがありまして、太陽からくる輻射熱ね。輻射の形で熱がこう布に当たって、それがここのこの運動(図1のα)になって、水の分子がまたぴよっとこう出て行く。という形で、単に空気の温度が上がるだけじゃない。太陽光がくると、ここ(図1のA)が熱せられるという輻射熱のことは常に注意しといたほうが子供も解り易いですね。

で、輻射熱のことでついでに言えば、やきいものときに輻射熱が出るでしょう。
やきいも焼いている時、子供はほんと熱くて寄らないよね。だからそういう時に輻射熱を教える。

それとね、冬になると、外気は寒くても裸で居れるよね、直射が良ければね。
裸で居れるっていうんで、太陽からの輻射熱というのが解りますよね、目に見えないけれど。そういうのを肌で感じると、今度物理とかなんかの説明があったときにものすごい解りやすいんですね。

それと、風のあるときに寒いっていうのは、肌の回りにやはりこういう膜ができる、熱の膜が。これが、ここにまあ毛があるわけですよね[図3参照]



で、ここにこう空気のあったかい膜がたまる、これがこう吹き飛ばされるよね。飛ばされるから、またここから熱が奪われる。というので、ここに薄い空気の膜ができる、風があるとそれが吹き飛ばされるから、だから冷えちゃう。というのでやはり同じ構造、似たような構造ですよね、風で飛ばされる。

そういうふうに説明していくと、子供が自分でいろいろなことを考えられるようになる。

<サウナの不思議>
ついでに言いますと、サウナ、うちの子がフェリ−に乗ったときに入ったんですね。

目盛りが90度なんですね。90度でも居られる。風呂のお湯は40何度でもう熱いのは知ってる。なんでか?

それと、四国行ったときにね、お湯のサウナがあったんだよね。もう温度はわずかでむちゃくちゃ熱いんだよね。湯気がいっぱいあるから、下はお湯なんだよね。そしたら熱くてもういられないんだよね。そんなに温度は高くないんだけど。何度だったか記憶ちょっと無いけど。

だから、その場合は、水っていうのがこうありますよね。[図4参照]



でこの分子が、ぴゃっと元気のいいやつがとびでて、ここでまあうろうろすると。だいたい500倍の体積になると。だいたいでいいですよね、まあ子供だから。でこういうのは、すかすかなんだ。で、そいつが身体にぽんぽんぽんぽん当たるんだから、90度のスピードでもたいしたこと無いんだよね。お湯の場合は、500倍の奴がぼこぼこ当たって来るから、これは熱いんだと。皮膚が冷やす力がもういっぱいいっぱいになってしまう。というんで、空気の場合はすかすかで、水の場合は詰まってるというふうに分子の形で教えるとわかりやすい。

<日常の中で伝える人類の遺産>
というので、こういう日常生活をいろいろ処理していく上で必要な知識という形で、僕のところは子ども達に教えていきます。

例えば、今言ったのは分子運動の理論です。


ページの先頭へページの先頭へ  目次に戻る目次に戻る